ダンゴムシ情報

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ダンゴムシ飼育|キノコバエ発生防ぐならコバエシャッター

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この記事ではダンゴムシ飼育ケースの失敗とおすすめの飼育ケースについてご紹介します。

失敗だった飼育ケース1 『バターケース』(タッパー全般)

これはバターケースと呼ばれる円形のガラスタッパーですが、これを飼育ケース代わりにしたのは失敗でした。

失敗の理由①側面から写真を撮ると綺麗に撮れない。

上からの写真はダンゴムシを飼育してなくても外で簡単に撮れますし、個人的に飼育していて嬉しいのはダンゴムシを同じ目線の高さで観察しダンゴムシの顔がよく見える写真が撮れること。

ですが、ケースの面が湾曲していると撮る角度によって歪んでしまうし反射もしやすく外から綺麗に写真が撮れないです。

バターケースの外から撮った写真。撮りづらい。

 

失敗の理由②円形の壁はストレスになる(かも)。

ダンゴムシには交代性転向反応という習性があります。

これは右に曲がった後は左に、左に曲がった後は右に曲がるというものです。

ダンゴムシが障害物にぶつかり左右どちらかに方向転換した後は、しばらくすると逆の方向へ転換します。*1

円形のケースにダンゴムシを入れると延々と壁にぶつかり続けグルグルしてしまう可能性があります。

 

失敗の理由③単純にサイズが小さく、高さも足りない。

温度・湿度・土の深さなど環境の好みに個体差があるため、大きなケースの中に環境の差を作り各々好きな環境を選べることが大切だと思います。

大体ケースの高さは15cm以上、幅は20cm以上あると環境の差を作りやすいと思います。

これくらいの大きさがあれば冬場に暖房器具に近い場所と遠い場所の差も作りやすく、暑すぎたとしても逃げ場があるため安心です。

また、私が見てきた中ではダンゴムシは土の深いところで脱皮をすることが多く、安心して脱皮できるようにするためにも土は厚く敷いてあげた方が良いです。

そのため、ある程度高さのあるケースが良いです。

 

土の敷き方ですが、わざと傾斜をつけて敷き、高さによって湿度と温度に差を作ると良いようです。

一般に高い場所ほど湿度が低く暖かく、低い場所ほど湿度が高く涼しくなります。

人間にとっては感知できない差でも体の小さなダンゴムシにとってはこの僅かな差が大事なのでしょう。多分。

後は同じ場所にまとめて水苔を置き、いつもそこに霧吹きをかけることで湿度の高いエリアと低いエリアを作ったり、樹皮や竹炭を置いて土以外の乾燥した地面を作ります。(樹皮や竹炭の下は良い隠れ家になります。)

あえて樹皮などを立てかけるように置くのも良いです。

立てかけた樹皮のてっぺんや枝の先など高い場所に好んで居る個体もいますので、湿度を保つのと同じくらい湿度の低い場所を作るのも大事かなと思います。

 

失敗の理由④ガラスは熱伝導率が高い。

熱伝導率の高さで以下のようなデメリットがあります。

ケース内の温度が急激に変化しやすい。

・暖かさが外に逃げやすい。

・ガラスが冷たいため温度差で飼育ケースの内側が結露する。

・結露した分、空気中の湿度が奪われる。

結露しまくっている中、苔を食べているダンゴムシたち。

バターケースで初めてダンゴムシを飼い始めた時は冬場だったのですが、なかなか中の空気の温度が上がらないのにヒーターが接触しているケース底面は熱伝導率の高さでとても熱くなっていました・・・。

 

失敗の理由⑤タッパーは通気性が悪く蒸れやすい。

タッパー全般、密閉するための容器なので通気性が悪いです。

通気性が悪いとカビが繁殖しやすいですし、ダンゴムシの呼吸器官は蒸れにとても弱いため危険です。

 

 

そこで、『蒸れないよう開放感のある感じで飼いたい』と思い、ガラス水槽を飼育ケースにしました。

失敗だった飼育ケース2『水槽』

2回目に作った飼育環境。開放感はバッチリ。

環境を作って1ヶ月程度でコバエが湧きまくりました。

ガラス水槽は、コバエが入り放題です。

 

ここまで極端な例でなくとも、空気穴程度の小さな穴や少しの隙間であっても土が大好きなキノコバエは無理やり体をねじ込んで入り込み、卵を産んでしまいます。

一度に60〜80個ほどの卵を産みますから1匹でもコバエの侵入を許したら飼育ケースは「無限キノコバエ製造所」となり果てます。

コバエをくっつける粘着トラップを設置すると粘着面がコバエで真っ黒になりますがそれも焼石に水です。

コバエの侵入は絶対避けたい。

 

隙間を無くしつつ、且つ通気性を良くする方法は1つしかありません。

 

不織布です。

 

程よく蓋に隙間の空いた通気性の良い虫かごを買い、本体と蓋の間に不織布を噛ませると良いでしょう。

 

でもそれって毎日蓋を開け閉めするのにいちいち不織布を噛ませるのがだんだん面倒くさくなってきますよね。

 

前置きが長くなりましたが、オススメの飼育ケースはこれ。↓

オススメは『コバエシャッター』

コバエシャッターの蓋

このように蓋の空気穴の上に不織布の小さな蓋をセットできるのが特徴の飼育ケースです。

名前の通りコバエが入る隙間はありません。

付いている不織布が汚れても簡単に取り替え可能です。

ちなみに昨年の真冬、季節的に大丈夫かなーと油断してこの不織布の小さな蓋を外してみたらすぐにコバエが侵入しました。

コバエに季節は関係無いようです。憎い。

 

コバエシャッターのサイズはどれがいいの?

また、最近コバエシャッターの【大】を飼ってみましたが、ダンゴムシは土をたくさん入れて飼育する生物なのでケースが大きい分重くなります。

そして、【大】は蓋がめっちゃ固くて開けづらいです。

コバエシャッター自体、開閉時にガチャ!と揺れるのですが【大】は蓋が固くて特に大きく揺れてしまうので繊細なレイアウトや臆病な生物を飼うのにはオススメしません。

 

ダンゴムシにはコバエシャッターの【中】がベストだと個人的には思います。

 

【小】はコンパクトでとっつきやすいサイズ感ですが、繁殖しやすいダンゴムシをこのサイズで飼うとすぐに満員になってしまい、あんまり向かないと思います。

でも短期間飼うだけなら【小】で全く問題は無いです。

 

サイズ展開が豊富で、このほか【ミニ】【タイニー】があるみたいです。

小さいのは生物の卵を隔離して孵化させる時などに良さそう。用途に合わせて選べるのが良いですね。

【大】以外のケースは別売りで専用のセパレータもあり、ケース内を区切ることができます。

 

『クリアースライダー』とどっちがいいの?

虫飼育の飼育ケースといえば「コバエシャッター」か「クリアスライダー」。

クリアースライダーは購入したこと無いですが、蓋がスライドできるので飛ぶ虫や素早い虫の飼育では本当に助かると思います。

空気穴からはコバエが入ったりダニが出てきたりしやすそうなので、こまめなお掃除は必要だと思います。

 

コバエシャッターのデメリットは?

あえてデメリットを挙げるとするなら、

 

①蓋がガッチリ閉まっている故に開閉時に揺れる

②価格が他の製品に比べて高価

③プラスチックなのでガラスより傷つきやすい

 

これくらいでしょうか。

 

③については、キズがついてしまったケース本体を修復したくて悪戦苦闘してみましたが、上手くいきませんでした・・・。

キズがついたら修復不可能です。

 

安価に済ませるならダイソーの虫かごに不織布のシートを挟むのもアリですね。

 

ご参考になれば幸いです。

 

 

\ 虫かごにシートを挟む /

【参考文献】

森山 徹『ダンゴムシに心はあるのか』

 

【参考記事】

徳留アクア工房『外国産ダンゴムシ&外国産ワラジムシを飼育してみよう!』

https://e-book.aoi-amagaeru.com/?p=1880

創建ペイント『ガラスの熱伝導率とは?結露の原因?納得解説と対処法まとめ』

https://www.k-skn.com/sokenpaint/column/457/

*1:自由に方向を転換できないような狭い通路に入れた実験では障害物に反応して転向しているように見えます。