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カタツムリとダンゴムシは一緒に飼えない理由と飼育方法解説

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『カタツムリとダンゴムシは一緒に飼えるの?』

これは過去に私が疑問に思って検索したことですが「飼える」「飼えない」の両方の意見があり、詳しく書いているサイトが見当たりませんでした。

なので、一緒に飼ってみた経験から分かったことを書いておきます。

 

一緒に飼わない方が良いです。

陸棲貝類と虫全般は一緒に飼わない方が良いです。

 

◎一緒にしたらカタツムリが死んだ。

『ダンゴムシとカタツムリが一緒に暮らしていたら可愛い♪』という思いつきで、ある日小さなカタツムリをダンゴムシケースの中に入れてしまいました。

小さなカタツムリは、ダンゴムシと一緒にしてから1週間ほどで死んでしまいました。

 

◎カタツムリの死因は?

死体にはダンゴムシが齧った穴が空いていました。

死因は生きたまま殻をかじられたかストレスか栄養不足だと思います。

ゆっくりとした動きのカタツムリにとって活発に動き回るダンゴムシが居る飼育ケース内はストレスだらけで安心して餌を食べに行くこともできなかったでしょう。

 

◎ダンゴムシにも危険がある。

カタツムリがとても大きい場合にはカタツムリの出す粘液によってダンゴムシが足を取られたりお腹の擬気管(呼吸器官)が塞がれて死んでしまうこともあるでしょう。

 

また、カタツムリは粘液を出すことに加えてベチャッとした糞を出すため、乾いた糞を出すダンゴムシに比べて圧倒的に飼育環境を汚します。

ダンゴムシの飼育ケースにカタツムリを入れると飼育環境をリセットする頻度はとても高くなるでしょう。

 

カタツムリとダンゴムシの飼い方を比較

床材

・ダンゴムシ

土に潜る生物なので土が必須で必要です。

腐葉土自体を食べますし、公園の天然腐葉土とカビた枯葉は大好物です。

一般的に選択される床材はクワガタ用の腐葉土です。

 

・カタツムリ

土は必要ありません。

粘液やベチャッとした糞で土を汚し環境が悪くなりやすいため、むしろ土は無い方が良いです。

皮膚を守るために体から粘液を分泌させているので、土で余計に粘液を奪わない方が良いかなと思います。

土の代わりに水苔を敷くのがオススメです。

カビが生えたり汚れた部分だけをその都度簡単に一部分だけ取り除いて捨てることができるため濡れたキッチンペーパーを敷いた飼育よりもお世話が簡単です。

また、老齢のカタツムリは筋力の低下から落下し殻が割れることがあるらしいですが、水苔でクッションを作っておけば殻が割れるのを防げます。

卵も水苔の底に潜って産んでくれます。

 

飼育ケース

・ダンゴムシ

土を置くのでダニが繁殖したりコバエに卵を産まれる可能性が高くなります。

そのため、飼育ケースには不織布を咬ませたりコバエシャッターなどを使ってコバエの侵入する隙間を無くします。【中】サイズくらいの広さがある方がレイアウトしやすくてオススメです。

 

・カタツムリ

ツルツルの壁も登れますし軟体動物のため小さな隙間からも脱走できます。脱走防止の点で飼育ケースには不織布を咬ませるかコバエシャッターを使うのがオススメです。

カタツムリの場合は壁を登れる分移動できる範囲は多いですし、土を厚く敷く必要も無いため数匹なら【小】ケースでも十分だと思います。

(ごく小さな赤ちゃんは微細な穴を空けたタッパーかもっと小さなコバエシャッターに隔離して管理した方が良いです。)

 

ダンゴムシ、カタツムリともに蒸れにとても弱いため隙間は無くしつつも通気性は確保します。

 

隠れ家&レイアウト

・ダンゴムシ

高めの湿度が好きなので湿度を保つために水苔は置きますが、一方で湿度が高すぎると土にダニが繁殖します。

そのため枯葉や樹皮の他に調湿機能のある物(竹炭や稚内珪藻石)をレイアウトに加えるのがオススメです。

 

・カタツムリ

隠れ家に樹皮や枯葉などの有機物を入れると、物によるのでしょうが高湿度な環境と粘液でカビだらけになるので入れない方が良いです。

また、カタツムリは傷つきやすい繊細な軟体を持っています。

水分を吸い取る竹炭や珪藻石を置くのは危険ですし、他にも石などの硬い物や重い物は下敷きになった時のダメージが大きいです。

隠れ家には柔らかくて軽い「育苗ポット」がオススメです。

ただ、カットして入り口を作ってあげてもカタツムリはあまり入りません。

ナメクジはいつも育苗ポットの中で落ち着いているんですけどね。

ちなみに発泡スチロールカップなどの光を通す素材を隠れ家として置いても気に入らないようで誰も中に入りません。

 

温度・湿度

温度はカタツムリ・ダンゴムシともに23〜26℃程度が良いです。

カタツムリは暑さに弱いそうなので27℃を超えたら危ないです。

 

湿度はカタツムリもダンゴムシも元々は海の生き物なので高湿度を好みます。

カタツムリはダンゴムシよりもさらに高湿度を好みます。

 

・ダンゴムシ

湿度が40%を下回ると死んでしまいますが、ダニ対策のため空気の湿度は55〜60%程度に保つのが理想です。

 

・カタツムリ

体はほとんどが水分で、ナメクジの水分量は体の約90%です。

カタツムリに関しては調べても出てこなかったのですが多分ほぼ同じです。

野生のカタツムリとナメクジは雨が降っている時に元気になって出てくるので、湿度は70%以上が好きなんだと思います。

 

飼育環境のリセット頻度

・ダンゴムシ

土を扱うために飼育環境をリセットするのに手間がかかりますし、頻繁なリセットはストレスになるため3〜4ヶ月に一度で良いです。

ダンゴムシの糞には集合フェロモンが含まれていますし、多少汚い方が安心するのではないかと思います。

 

・カタツムリ

毎日こまめに糞やカビを取り除いて『きえ〜る』を吹きかけていれば1〜2ヶ月に一度で良いのではないかと思います。

飼育環境を汚すのは早いですが、土が必要ないため飼育環境のリセットは簡単で必要な物も少ないです。

『きえ〜る』は飼育ケース内の悪臭やカビの繁殖を抑え飼育環境のリセット頻度を減らせます。

成分は乳酸菌などなのでペットの飲み水や餌に混ぜて与えることもできます。

私もダンゴムシとカタツムリのお世話に毎日使っていて、カタツムリは『きえ〜る』に含まれる栄養分を好んで食べています。

*1

 

毎日のお世話

・ダンゴムシ

水苔に霧吹き・食べ残し回収・新しい餌設置

 

・カタツムリ

霧吹き・食べ残し回収・新しい餌設置以外に、カビた水苔と糞を取り除くことと糞で汚れたケースの内壁と蓋の裏側を拭く必要があります。

特にカタツムリはカルシウムをたくさん摂取するためか石灰分を多く含むようで、白い跡が付きます。拭いても完全には取れません。

カタツムリの糞

ダンゴムシは堅い甲羅を持ち、カタツムリは殻を持っています。

そのためどちらにもカルシウムをたくさん与える必要があります。*2

ダンゴムシ・カタツムリに共通してオススメなのはカトルボーンや乳酸カルシウムパウダーです。

 

ダンゴムシ・カタツムリ共に野菜もタンパク質も摂らせます。

両方ともよく食べるのは生ニンジンです。

 

・ダンゴムシ

乾燥エビは食いつきが良くカルシウムたっぷりなのでオススメです。

乾燥した固い物もゴリゴリ齧って食べ、パリパリカリカリ食感が好きなように見えます。

パウダー状のものもそのままで食べてます。

主食はフレークタイプの熱帯魚の餌が良いかなと思います。

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・カタツムリ

固い物も歯舌という口の裏側のザラザラで削り取って食べることはできますが、食べやすそうには見えません。

赤ちゃんの場合は特に、堅い生野菜はすりおろすと良いでしょう。

ベチャベチャしてる物が食べやすいみたいです。

パウダー状のものを与えるなら、少し水を混ぜてベチョッとさせてあげると口の中の水分が奪われず飲み込みやすいのではないかと思います。

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ご参考になりましたら幸いです。

 

 

【参考記事】

SOUSEI『ナメクジ』

ナメクジ - SOUSEI

高知八幡宮のブログ『アラゴナイト』

https://www.kochi-hachimangu.com/article/archives/393

*1:自己責任でのご使用をお願いいたします。生体に起こる影響について一切の責任を負いかねます。

*2:ダンゴムシの甲羅とカタツムリの殻は同じ成分ではありません。ダンゴムシの甲羅はキチン質という成分でできています。カタツムリの殻はアラゴナイトと呼ばれる炭酸カルシウムの結晶とタンパク質でできています。