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ダンゴムシのしっぽは動く
この映像で開いたり揺れたりして動いている4枚の尻尾は「尾肢」です。
恐らくですが外側の2枚の尾肢は「尾肢外肢」、内側の2枚の尾肢は「尾肢内肢」と呼ばれるものです。
尾肢の中心にある逆富士形の部位は「尾節」と呼ばれています。
ダンゴムシはエビやカニ、ザリガニなどと同じ甲殻類の仲間ですが、尾節・尾肢は甲殻類によく見られる特徴で、エビの尻尾もダンゴムシの尻尾と同じ構造になっています。
メスにくっつきたい時、オスの尾肢が動く
観察していて分かってきたのですが、尾肢が動いているダンゴムシはメスにくっつきたがっているorくっついた後のオスが多いです。
不思議と、くっついている最中に尾肢が動いているのは見たことがありません。
※ダンゴムシのオスがメスの背中にくっつく行動は交尾できるメスをキープするためのものであり、メスの意思は関係ありません。そのため、メスを惹きつけるために行動である求愛とは呼びません。
この映像ではオスがメスの背中に乗っかろうとしていますが、メスは体をブンブン振って振り落としています。
この後も何匹もの背中に乗っかろうと試みては拒否されていました。
メスにくっつきたい時オスの尾肢が動く②
こちらもメスにくっつこうとしている時に尾肢を動かしています。
脚をタンタンしながら尾肢を動かす
こちらはまるでリズムを刻むように左の後ろ脚を動かしています。
謎です。
この個体は手脚の毛深さや甲羅の色の濃さからして恐らくオスだと思うのですが、人間目線で見ると「メスをナンパしようかな〜」とノリノリになっているように見えます。
奥の個体がメスで、手前の個体がオスです。
この映像の前にオスがメスにくっついていたため、雌雄が判別できました。
奥のメスと触角で触れ合っている時、手前のオスのお尻の尾肢がごく僅かに動いています。
やはり、ダンゴムシのオスの尾肢が動く時は大体メスが関わっています。
その様子は人間目線で見るとなんだかウキウキと嬉しそうに見えます。
メスが関わっていなくても、何かしら興奮すれば尾肢が動くのではないかと思いダンゴムシが大好きなリンゴを与えて観察してみましたが、リンゴに群がるダンゴムシの中で尾肢が動いているものはほとんどいませんでした。
食べ物が理由で尾肢が動くということは無さそうです。
手脚を舐めながら尾肢を動かす
体を丸めて手脚を丁寧に舐める動きは生殖脱皮を控えたメスに見られる行動です。
メスが尻尾を揺らすのはあまり見ません。
オスはいつでも交尾可能ですが、メスが交尾可能な時は生殖脱皮後48時間以内と限られています。
オスに比べてメスの尾肢があまり動かないのは、やはり生殖が関わっているからだと考えれば納得がいきます。
ですが・・・
最近、おしっこをするダンゴムシ(体色からして恐らくオス?)の尻尾がフリフリしているのを発見しました。
生殖以外にも水分調節の際にも尻尾が動くようです。
\ ダンゴムシの心を知る /
【参考文献】
奥山風太郎『おどろきダンゴムシ図鑑』